飼育のつぼ

ここは、
・飼育は一通りできるが上手く飼育ができない
・小型水槽に挑戦してみたい
と考える人が読むページです


現在は海水魚の飼育に力を入れています。
飼育方法の改良や色々なノウハウ、水族館からのアドバイス
を頂きだいぶ良い状態で飼育しています。

上級者向けの飼育方法ですが30cm程度の水槽を提案します。
このクラスですと水質維持が難しいです。

果たして 30cm程度の水槽で海水魚飼育が可能なのか?

と思う人も多いと思います。
結論を申し上げると可能と返答します。

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ここで言う30cm水槽とは水量が25リットル程度の水槽を想定しています。
また飼育魚は、小型キンチャクダイ、チョウチョウウオ、フグ、クマノミ類、ハギ類、エビ類
を4匹程度を想定しています。

(モデルケース)
・サザナミヤッコ幼魚1匹(キンチャクダイ)
・クマノミペア2匹(クマノミ類)
・ホワイトソックス1匹(エビ類)
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当然大型水槽でも飼育しています。
初めの頃は海水魚を2ヶ月間飼育することすら大変なことでした。
しかし現在はずっと生きていますし記録更新中です。
では何故進歩を遂げることができたのでしょうか?
このコーナーでは私が持っている とっておきの ノウハウ を提供します。


小型水槽の特徴は?

利点:

水槽が大変コンパクトなので場所を取らない
水換え量が少なく済み 労力の低減+人工海水代の節約
経費が比較的安く済む

欠点:
小型水槽ゆえに、水質が変化しやすく水質維持が難しい


@ベアタンク飼育の勧め


ベアタンク水槽は底砂を入れない

小型水槽での飼育は 
ベアタンク水槽 で行う。
ベアタンク水槽とは底砂(サンゴ砂)を入れない水槽の事である。
一般的に底砂にはサンゴ砂を用いますが、底砂は設けない方が良いです。
大型水槽であれば底砂を設けますが小型水槽ではお勧めできません。
小型水槽では水質の変化が激しいからです。

底砂には餌の食べ残し等の汚れ、白点虫などの寄生虫がいます。
白点虫は基本的に魚に寄生するものであり、体内から離れて増殖します。
そして再び魚に寄生することにより生きていけるのです。
しかし最近になって底砂に滞在することが可能である事が分かってきました。
ですから底砂を取り除くと白点虫は居場所が無くなってしまいます。
白点虫は魚に寄生し続けられなければ底砂にも留まる事ができないので生きていけません。
よって底砂は入れない方が良いのです。

もし底砂を入れている水槽ですと水換えを丁寧に行っても、
底砂に溜まった餌の食べ残し、寄生虫等は舞い上がってしまいます。
また水換えをしても底砂に溜まった汚れは残ってしまいます。
これらの溜まった汚れは蓄積していきますので、後で多大な影響を与えてしまいます。


A外部式フィルタの勧め
小型水槽で飼育するフィルタはどうすれば良いのでしょうか?

・底面式フィルタ:
@の理由から使用できません
・上部式フィルタ:小型水槽用の上部式フィルタはあまり製品化されていませんし、
           十分な容量がありません
・外掛式フィルタ:海水魚飼育では容量が小さ過ぎます
・水中式フィルタ:海水魚飼育では容量が小さ過ぎます
・オーバーフロー:高価過ぎますし、小型水槽向けではありません

そこでお勧めしたいのが外部式フィルタです。
(特徴)
・例えばエーハイム2213ですと3リットルものフィルタ容量が確保できます。
・しかも外部式フィルタはろ材の組み合わせが自由に行えます。
・紫外線殺菌灯やディフューザ等のオプション製品との接続も容易です。
・メンテナンスがしやすいし、音が静かです。

しかし海水魚飼育に外部式フィルタは向かない
という人もいます。
これは外部式フィルタは水槽外にフィルタを置くという製品ですので、
フィルタ自体が密閉されていまい、十分な酸素量が確保できないということからです。

しかし、ディフューザを設置することにより酸素量は十分に確保できます。
ディフィユーザを外部式フィルタに取り付ければ、
エアレーション等のポンプ無しに水槽に酸素を取り入れることができます。
また溶存酸素量を調整することができますので大変重宝します。
これは磯のサラシ場で日常的に起きている原理(大きな波を起こすことにより
海水に酸素を取り入れる)を利用した製品です。


B紫外線殺菌灯の勧め
紫外線殺菌灯を外部式フィルタとディフューザの間に設置することをお勧めします。
白点虫等の寄生虫は外部式フィルタの内部にもいる可能性があります。
しかし水換えをしても外部式フィルタは密閉されていますのでフィルタ内部の
汚れ、白点虫等をまき散らすことがありません。
また外部式フィルタ内から流れ出る白点虫等は紫外線殺菌灯により殺菌されます。

@〜Bをまとめると、
・底砂は敷かない
・フィルタは外部式フィルタを使用し紫外線殺菌灯、ディフューザを設置する
です(下図参照)



Cろ材について
使うろ材やろ材の組み方は 水換え不要水槽(新タイプ) を参考に組んでください。
この組み合わせにより 
硝化還元機能 が完成し自然循環を行え水質が安定します。

たんぱく質⇒アンモニア⇒亜硝酸⇒硝酸塩⇒亜硝酸⇒窒素 
の自然循環が成立するのです。


D餌について
熱帯魚飼育経験が長い人はよく海水魚に赤虫を与えている人もいます。
私も熱帯魚経験が長いので初めの頃はそうしていました。
しかし赤虫を与えるのは良くありません。
赤虫は海水中にある成分ではないので海水魚が食べると、
内臓に与える負担は大きな物になります。
ですから赤虫を与えると内臓疾患になります。
それが原因で魚が調子を落とすのです。

内臓疾患になると魚の体表が落ちていくような表皮に症状が現れ、
呼吸が速くなり死亡します。

また 活き餌 や 冷凍餌 はあくまでも餌付け用にしてください。
これらには細菌等が含まれており、水槽内に持ち込んでしまいます。
更に養分が多いので餌の食べ残しは水質悪化に直結します。

餌は人工飼料に移行しましょう。
人工飼料は餌のバランスが考えられていますのでこれが一番です。
しかしポリプ食の海水魚はどうなのでしょうか?
小型水槽ではポリプ食の海水魚は飼育できませんので除外します。

また 
人工飼料 は開封してから3〜4ヶ月経過したら廃棄処分する
必要があります。
古くなった人工飼料は酸化していますし、魚に悪影響を及ぼします。
これを守るのと守らないのとでは大きな差がでます。

E魚が死んでしまう理由を考える。
魚が死んでしまう理由は下記が挙げられます。

@生体の状態が購入した時から悪かった(ショップの問題やシアン毒等)
A餌を食べなくなって死ぬストレス、ノイローゼ
B水質悪化
C寄生虫、細菌
DPHショック等の人為的ミス

@については 海水魚の秘密 で取り上げていますのでご覧下さい。
簡単に説明すると海水魚採取時にシアン等の薬物で採取する場合があり、
薬物で採取された海水魚はやがて状態を壊し☆になります。
現状では薬物採取している海水魚も流通していますので、
私たちにできる事は信頼できるショップで購入するしかありません。
通常購入後1ヶ月以内に死亡します。

Aについては魚の組み合わせの問題です。
例えば同じ水槽にフグを数匹入れると激しい争いが起こります。
争いが起きると弱い魚はノイローゼ気味になり、やがて餌を食べなくなり
体力が落ちて死んでしまいます。

:キンチャクダイの仲間
キンチャクダイの仲間は争いが起こりますので1つの水槽に1匹程度がお勧めです。
比較的体力がある サザナミヤッコ等 でしたら複数飼育もできますが、
原則的には1つの水槽に1匹飼育をお勧めします。

:フグの仲間
フグの仲間も激しく争います。
フグは1つの水槽に1匹飼育(単独飼育)が基本です。
動作が遅いので十分に餌を取ることができないからです。
餌を十分に取れないと痩せて行き、だんだん弱ってしまいます。
また クロハコフグ、ミナミハコフグ等のハコフグ類は調子を崩すと
体内から泡状の毒を発生させます。
この毒は強烈で周りの海水魚をたくさん死なせます。
私自身もハコフグの毒で水槽が壊滅状態になったことがあります。
フグの毒はそれほど強力なので注意が必要です。

シマキンチャクフグは猛毒を持ってますが、体内からは出ないので大丈夫です。
ハリセンボンは毒を持っていませんので安心できますが、やはり動作が遅いので
単独飼育が基本となります。

:スズメダイの仲間
争いはフグやキンチャクダイに比べると激しいものではありませんが争いが起こります。

Bについては 水質浄化(硝化還元機能) をご覧下さい。
簡単に説明すると、フィルタが機能していないので魚の状態が落ちるということです。

フィルタが機能している水槽(水が出来上がってる水槽)であれば、
アンモニア、亜硝酸 はまず検出されません。
これらの項目が検出される場合は、
・餌の量を減らす
・水槽内の魚を減らす
・ろ材を清掃する
・フィルタを追加する
・水換えをする
の対策が必要です。

硝酸塩が多量に検出されるケースは良くあります。
しかし硝酸塩濃度を長い間低くおさえること(許容量範囲内にすること)はできます。
硝酸塩が高くてお困りの方は、水換え不要水槽(新タイプ) をご覧下さい。
通常の水槽システムでは硝酸塩は水換えで除去できます。

PHが低い場合は硝酸塩が検出されるケースが多いです。
これは硝酸塩を減らすことにより効果がでます。
どうしてもPHが上がらない場合は水換えを行う必要があります。

以上述べた事項が水質の基本項目であり、これらの数値の上昇は魚に多大な影響を
与えます。

Cについては 
底砂を敷かない飼育を試してみたり、紫外線殺菌灯、ヨウ素殺菌筒を検討してください。
寄生虫や細菌が発生してしまいますと水換えだけでは取り除くことができません。
白点虫であれば 海水魚トラブル解決 のように銅イオンで死滅させることはできますが、
無脊椎動物やライブロックが水槽内にいる場合は使用できないのでどうしようもなくなって
しまいます。

Dについては 水槽に入れる魚について を参考にしてください。
簡単に説明しますと水合わせが十分行われないと魚に多大な影響を与えてしまいます。

つまり各項目を総合的に考えるてみると・・・
魚が1ヶ月以内で死んでしまう場合は、
@、Dの理由を疑います。
Aについては餌を食べなくなって☆になりますので観察していれば分かります。
Bについては水質を測定すれば分かります。

現実の多くは
@、A、B、Dの条件が当てはまらなくても魚が☆になってしまいます。
その原因として考えられるのがC寄生虫、細菌です。
よく原因が分からないまま海水魚が☆になるのは
Cが多いです。
Cを重要視するようにすることにより魚は長く生きる事ができます。



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