ナチュラルシステムという言葉を聞いたことがありますか?
ナチュラルシステムはインドネシアのLEE.CHIN.ENG氏により提唱されたシステムで、
生物ろ過を行う器具(フィルタ)を使用せず飼育するシステムである。
つまり自然に近い状態で飼育するシステムである。
自然のもつ浄化作用で飼育しようと言うのがコンセプトになります。
生物ろ過の仕組みが分からない場合は 水質浄化の仕組み(硝化還元機能) をご覧下さい。
ナチュラルシステムには基本的にベルリンシステムとDSBシステム(モナコシステム派生)に
分けることができます。
主にベルリンルシステムはサンゴ飼育する場合に用いられます。
サンゴにとっては、たんぱく質が有害作用します。
ですからたんぱく質を減らせるベルリンシステムは、サンゴ飼育に必須のシステムです。
・ベルリンシステム:
基本的には プロテインスキマー と呼ばれる器具と ライブロック と呼ばれる岩で行います。
左:プロテインスキマー 右:ライブロック
原理:
@プロテインスキマーを利用する
たんぱく質が分解される前にある程度取り除き硝酸塩の発生を抑えます。
プロテインスキマーの説明はこちらです
Aライブロックを利用する
ライブロックは普通の岩のように見えるが次の事を行うことができます。
岩の表面付近では好気性バクテリアが繁殖しており 硝化機能 が行える。
岩の内部付近では嫌気性バクテリアが繁殖しており 還元機能 が行える。
フィルタほどではありませんが硝化機能だけでなく還元機能も有します。
ライブロックは全水量の30%(30リットル水槽だったら10リットル)入れてあげます。
よって @+A を行うことによりフィルタを使わずに済むのです。
デメリットは飼育する海水魚の数がある程度制限されます。
ではライブロックとはいったいどのようなものでしょうか?
ライブロックは生きた岩であり、ライブロックの中にはさまざまな生物、微生物が生息しています。
ライブロックは海中の死んだサンゴの骨格でできたサンゴ岩がベースとなっている。
(サンゴ岩がぼろぼろになったのがサンゴ砂である)
海中にいる間に十分な微生物が繁殖しており、表面には海藻類等が付着している。
写真の通り色がカラフルであるライブロックは様々な微生物が繁殖しているので、
この様なライブロックを購入すると良い。
ライブロックを購入後、直ぐに水槽に入れてはいけません。
購入の状態によっては中の生物が死んでしまってる可能性があるので、
そのライブロックを水槽にいれてしまうと海水が汚れてしまいます。
またライブロックの中にはカニ、ヤドカリ、シャコをはじめ様々な生物が潜んでいる為、
ライブロックから取り除かなくてはなりません。
これらの悪影響を受けない為にもにキュアリングという作業をしてあげる必要があります。
水槽にライブロックを直ぐに入れて中から出てくる生物を見て楽しむ人もいます。
ライブロックからどんな生き物がでてくるか観察するというのも良いかもしれません。
キュアリングとは・・・
ライブロックから有害なカニ、ヤドカリ、シャコ等を取り除き使用可能にすることである。
また正常に使用できるかを確認する作業も含みます。
キュアリングの方法
工程1:(省略も可)
目的:有害なカニ、ヤドカリ、シャコ等を取り除く
@トリートメントタンク(既述)に底面式フィルタと水中ポンプをセットする
Aトリートメントタンクの中に使用済のコーヒーカップ(又はカップ)を2つ用意して並べて置く
Bその上に魚を焼く網をセットする
C海水は網の少し下の辺りまで入れる
D網の上にライブロックを置く
E水中ポンプの電源を入れる
※@のポンプから出る海水はライブロックに直接かかるようにする。
これはライブロックの乾燥を防ぐ為である。
すると中からカニやシャコが出てきて、網の下に落ちてくるので除去することができる。
これを最低でも数時間〜1日行うと良い。
工程2:
目的:ライブロックが正常に機能するか確認する
@生物の除去が終わったらライブロックが隠れる程度まで海水を加える。(海水は全部入れ替えること)
A1週間くらいエアレーションして循環させる。
B1週間経過後アンモニア、亜硝酸等の測定をして問題なければ使用可能である。
もし、海水が白濁したり測定値が高い場合は最大で1ヶ月程度様子をみる。
再度測定をして問題がなければ使用可能である。
しかし1ヶ月経過後も白濁又は測定値が高い場合はそのライブロックは捨てるしかない。
使用可能なライブロックは水槽に入れることができる。
使用上の注意としてライブロックのある水槽は、無脊椎動物と同様に薬品は一切使えません。
よって水槽内に病気の魚が発生した場合でも薬品を入れることはできません。
・DSBシステム:
DSBシステム
DSBシステムはプロテインスキマーさえも使いません。
原則的にライブロックのみのシステムです。
しかしライブロックだけで行うものではありません。
ライブロックと底砂で行います。
原理:
@底砂を利用する
底砂は通常ですと3〜4cm程度、嫌気層を設けた場合でも7〜8cm程度しか敷きません。
DSBシステムでは底砂を12〜15cm程度敷きます。
すごい底砂の量ですよね?
これだけの底砂を敷くと砂の上部付近では硝化層が下部付近では嫌気層が形成されます。
微量ですが完全なる硝化還元機能ができあがります。
Aライブロックを利用する
上記ベルリンシステムで述べた通りです。
よって @+A を行うことによりフィルタを使わずに済むのです。
デメリットはベルリンシステム以上に飼育数を極限まで少なくする必要があります。
餌の与えすぎや多くの魚を飼育してしまうと直ぐにシステムが崩壊してしまいますので注意が必要です。
現在はベルリンシステム、DSBシステムとかの枠組みはあまり意識されていません。
ベルリンシステムでも底砂を厚く敷いてDSBシステムの一部を取り入れますし、
DSBシステムでもプロテインスキマーを用いベルリンシステムの一部を取り入れます。
またベルリンシステム、DSBシステムでもフィルタを使用したりします。
自分でアレンジして独自のシステムを形成すると言うのも飼育の楽しみの1つです。
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