水換え不要水槽

concept:

みなさんは水換えしないで済んだら・・・ と考えたことはありませんか?

私は勿論あります。

しかし現実的にそのような事が可能なのでしょうか?
水換え不要水槽は実現できなくても、3ヶ月に1回程度の水換えで済む水槽は
作ることができます。

このコーナーでは基本的な飼育ができる 
中級者向け の内容となっております。


@まず、何故水換えが必要か?を考えてみる。
    既存の水槽では
    ・A:硝酸塩が蓄積されてしまう。
    ・B:PH低下が起る。
    ・C:海水微量成分が不足する。

    からである。
    問題点A,B,Cを解決できれば水槽内の海水は水換え不要となる。
    BはAを解決すればある程度は防げる。
    Cは微量元素を補充してあげることで対処できる。

    よって上記の3つの問題点の中でAの問題点が一番重要である。

    問題点を解くヒントは自然環境の仕組みを考えてみれば分かる。
    自然環境では,酸素が苦手な嫌気性バクテリアが存在する。
    嫌気性バクテリアは 硝酸塩⇒窒素ガス に分解する。
    窒素ガスは大気中へ流れる。
    
よって嫌気性バクテリアを繁殖できれば自然環境に近い浄化が可能となる。


A想定する水槽概要:

アンモニア、亜硝酸はほとんど発生せずに、硝酸塩が蓄積されてしまう状態を想定しています。
何故なら、水が出来上がってる状態では、アンモニア、亜硝酸は全く検出されないからです。
水質が安定してない状態で水換え不要水槽を作る作業は危険があります。

それは嫌気性バクテリアが繁殖する過程で亜硝酸濃度が高くなってしまうからです。
この辺の内容がよく分からない方は、 水質浄化の仕組み(硝化還元機能) をご覧下さい。

水槽サイズについては
30cm〜60cm程度が適当です。


B必要な器具:

必要な器具を説明していきます。
A:外部式フィルタ(エーハイム2213みたいに、海水がフィルタの下から上へ流れるタイプが良いです)
B:嫌気性バクテリアろ材(テトラ ナイトナイトレイトマイナスやアクアグリークのデニマックス等)
C:サンゴ砂(中粒)
D:スポンジ状のろ材


C目的:
嫌気層を作り、確実に嫌気性バクテリアを繁殖させる事により、還元機能が有効となり
自然循環が生まれる。
よって、水換え回数は確実に減り、場合によっては水換え不要水槽も可能になる。


D理論1:
嫌気性バクテリアが繁殖する為の条件として、
@水の流れがある。
A酸素の濃度が低い
という条件を満たす必要がある。

また、還元機能の過程において、海水魚にとって有害な
硫化水素が微量に発生することから
水の流れは必要である。
水の流れがないと水槽内で硫化水素が充満してしまい、海水魚に多大な影響を与える。
この様な観点からも水の流れは必要であり、またエアレーション等のように水槽の中から外に
空気の流れを作る必要もある。

では条件を満たすような環境を作り嫌気性バクテリアを繁殖させましょう。



E方法:

水槽に外部式フィルタを設置する。
外部式フィルタのろ材の組み方であるが、
ろ材は下から順にスポンジ状のろ材、
サンゴ砂、スポンジのろ材とする。
サンゴ砂層の下から70〜80%
(7〜8合目)の位置に嫌気性バクテリアろ材を
規定量の2倍入れる。
(矢印部分)

何故2倍なのか?

外部式フィルタは少し水流が強いのでろ材を2倍程度入れることでちょうど良くなる。
流量は1分当たり 8〜10リットル程度 を想定しているので、例えば流量が 5リットル であれば、
規定量で良いことになる。
しかし、少し量を多く入れても生態には差し支えない。


F理論2:
ストレーナーから流れ出る海水は、外部式フィルタの下部から入ってくる。
海水が下から上に流れるので、同じ流量でも上から下に流れるのと違って、重力が慣性力となり働く
ので良いのである。
水槽のスポンジの部分で物理的な汚れは除去され、比較的綺麗な水がサンゴ砂層に入ってくる。

サンゴ砂層には十分な硝化バクテリアが繁殖するので、海水が嫌気性バクテリア層に来る前に
酸素が大量に消費される。
エーハイム2213製品ですと、フィルタ入り口から嫌気性バクテリアろ材までの距離は
15cm程度で
あり、
 DSBシステム に匹敵する距離になる。

通常嫌気性バクテリア層を底砂の
5cm程度の距離に入れる事が多いが、それと比較しても
十分な距離が保てている。
しかも底砂と違って適当な水量がある。

底砂に底面式フィルタを設置しても流量が得られるのではないか?

と考えるであろうが、底面式フィルタはチャネル現象(フィルタ機能のムラ)が発生するので、
嫌気性バクテリア層部分に適当な水流を得ることは難しい。

また断面積を考えても分かると思うが、外部式フィルタと底面式フィルタの断面積は圧倒的に外部式フィルタ
の方が少ない。
よって外部式フィルタはこのことからも安定した水流が得られることがわかる。

上部式フィルタについて考えてみると嫌気性バクテリア層を作る深さが確保できないので設置できない。
他の、外掛け式、水中式等も設置不可能なので、嫌気性バクテリアを繁殖させるには外部式フィルタが
最も優れていることが理解できると思う。

この嫌気性バクテリア層を設置して1ヶ月過ぎ頃に全ての水質項目を測定してみるとよいだろう。

好気性バクテリア、嫌気性バクテリアが繁殖され、適切に硫化水素を除去し、
紫外線殺菌灯やヨウ素殺菌等で細菌、病原菌をある程度除去することにより、
水換え不要水槽は完成する。

しかし3ヶ月程度に1回の水換えはした方が良いと思います。



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